2011年7月3日

【映画】SUPER 8/スーパーエイト



外部サイト(作品詳細)
公式  Yahoo!映画  ぴあ映画生活

評価
★★★★☆

監督
J.J.エイブラムス

出演
ジョエル・コートニー、エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ガブリエル・バッソ、ザック・ミルズ、ロン・エルダード、ノア・エメリッヒ

メモ
  • 製作にスティーブン・スピルバーグ
  • 冒頭の列車事故シーンがすごい
  • アリス(エル・ファニング)可愛い
  • 話がわかるエイリアンとか笑っていいのか?
  • エンドロールまで見るべし
  • THE KNACK最高!
  • 親子で観ればいいんじゃね

蛇足
スピルバーグ製作ってことで「E.T.」だの「未知との遭遇」だの言われてるらしいけど、「E.T.」は小学生になる前に観た(と思う)のでほとんど覚えてなくて、指と指を合わせる例のシーンと、夜空の月をバックに自転車で飛ぶシーンくらいかな、ギリ覚えてるのは。「未知との遭遇」に至ってはそもそも観たことが無いという、映画好きの風上にも置けないモグリですよ。そんなもんなので「E.T.」や「未知との遭遇」を絡めて語れないのが残念だったりする。レンタルで見りゃいいんだけどね、めんどくさいし。

しかし、今作「SUPER 8/スーパーエイト」には僕の生涯ベスト級映画「スタンド・バイ・ミー」を彷彿させる流れが結構あったので、正直それだけで目から汁が出たとか出ないとか。というわけで、スピルバーグ関連という視点が完全に抜け落ちてすっとぼけたことが書かれていても目くじらたてずに生暖かい目で見守っていただければと。

母を亡くして心細く友達に気を使って自分の意見が言えないジョー(ジョエル・コートニー)と、ダメ親父に生活を縛られてヤサグレ気味のアリス(エル・ファニング)の関係が、なんとなく「スタンド・バイ・ミー」におけるゴーディとクリスのそれっぽくて、この時点で涙腺緩み気味。ゴーディは兄を亡くした内向的な子、クリスはダメ親父とダメ兄貴という環境で育ったワル(と周りから思われている)、で、なんやかんやあって、傍から見れば水と油の二人がかけがえの無い絆を結ぶ物語。個人的にこういうプロットが大好物なので、多少の粗があっても「こまけえこたぁいいんだよ」てな感じで好き好きオーラ出ちゃうんだよねえ。

ジョーやゴーディの境遇ってやっぱりすげー辛いと思うんだよね。溢れんばかりの愛情を注いでくれた母とか、数少ない理解者だった大好きな兄とか、子供が失うにはあまりにも大きいでしょ。もともと内向的な性格の子がこんなことになったらそりゃ大変ですよ。ただね、唯一の救い、と言えるかわからんけど、二人とも「愛された経験」があるの。一方、アリスやクリスはこの「愛された経験」が無いわけで、これもすげー辛い。これ普通の人には想像できないよね。僕も含めて。だって生まれた瞬間から空気のように親の愛情がそこにあったわけで、それが特別なものだなんて思ってもいなかったし。

「愛されることを知り、その愛を失った」ジョーとゴーディが、「そもそも愛されることを知らない」アリスとクリスを愛で包みこむことで、自分自身も新たな愛に包まれる、という自分で書いててもなんとも気持ち悪い文章なんだけどこれがもうヤバイのよ、マジで。このプロットって他にもいっぱいあると思うんだけど、たぶんどれ観ても泣くと思う。それくらい単純な頭してます。

エイリアンの描かれ方がどうとか、おかしなシーンとか、繋がってないとか、ご都合主義とか、たしかに突っ込みどころは色々あるんだけど、上記のような視点で観ちゃってるとまさに「こまけえこたぁいいんだよ」てな感じなわけですよ。結局のところジョーとアリスの関係を盛り上げるためのキッカケであれば何でもいいんだから、それがエイリアンだろうが死体探しだろうが構わないわけで、しかもそのディテール云々なんてファミレスのハンバーグセットの甘い人参程度のものですよ。あってもなくてもいい的な意味で。

というわけで、ほぼ絶賛です。とにかく大好きな映画。ただね、「SUPER 8/スーパーエイト」が「スタンド・バイ・ミー」にひとつだけ敵わないところがあるんですよ。前者は「なんやかんやあって、結果として愛を得た物語」で、後者は「なんやかんやあって、結果として愛を得て、その後に失った物語」なわけで。まあ語弊があるかもだけど敢えて「失った」という言葉を使うと、「スタンド・バイ・ミー」は最後の失った事件をキッカケにして回想録を書くという映画の作りなので、そういう意味では両者を比べるのはちょっと不公平かもね。もちろん、クリスの死によって二人の絆が消えるわけ無いんだけど、絆を結んだ相手が消えてしまうのはやっぱり辛いじゃん。切ないじゃん。この切なさはかなり来るよね。だから今作は四つ星にしといた。ジョーとアリスのその後は気になるけど、続編はいらないかな。

最後に三つ。まず一つ目、母の形見のペンダントをエイリアンに持って行かれるジョーを見て、「プラネテス」でのユーリのコンパスを思い出しました。執着していたものを手放すのは成長の過程の儀式として必要なことなのかもねえ。んで二つ目、公開時期を間違えたんじゃね?こういう映画は夏休みに親子で観たいじゃん。少しは考えてくれよ配給会社。んで三つ目、いつも映画のエンドロールを見ない人は要注意。ちょっと仕掛けがあるので見といたほうがいいよ。あと、仕掛け後のエンディング曲がTHE KNACKの「マイ・シャローナ」。言わずと知れた超名曲ですね。僕も大好きで、昔ギターをコピーしました。しかーし、ギターソロをカットした製作陣は絶対に許さない、絶対にだ。

いい歳のおっさんが少ない語彙を駆使して愛を連呼するという気持ち悪いことこの上ない記事にお付き合いいただきありがとうございました。



  
自作サイト
OTOBOKENEKO.NET

0 件のコメント:

コメントを投稿